公務員・主婦が個人型確定拠出年金(iDeCo)に加入するメリットとデメリットは?


2017年1月より、個人型確定拠出年金(iDeCo)の加入範囲が公務員や主婦の方にも拡大されました。

最近ではこの個人型確定拠出年金(iDeCo)という名前を、雑誌やテレビでもよく目にします。

しかし、公務員や主婦の方によって、本当にこの個人型確定拠出年金(iDeCo)に加入した方がいいのかどうか、気になっている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、そもそも個人型確定拠出年金(iDeCo)とは何か、そして、公務員と主婦の方それぞれにとって加入することのメリット・デメリットを紹介していきます。

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そもそも個人型確定拠出年金(iDeCo)って何?

iDeCoとは、個人型確定拠出年金の英訳である「individual-type Defined Contribution pension plan」の頭文字をとって名づけられた愛称です。

漢字が並んでいて難しそうに見えますが、簡単に言うと「老後に備えて積み立てて殖やしていく」ための制度です。

個人で加入するので「個人型」、毎月積み立てる金額が決まっているので「確定拠出」、そして将来的には「年金」として受け取るということから、個人型確定拠出年金(iDeCo)と呼ばれています。

※受取方法は、年金だけでなく一時金としても受け取ることが可能です。

国としても、今後訪れる高齢社会において国民年金だけでは老後の生活が立ち行かないことは明白なので、この個人型確定拠出年金(iDeCo)に様々な優遇措置を設け、国民1人1人の自助努力を促していこう、という趣旨でこの制度は設けられています。

個人型確定拠出年金(iDeCo)の概要は以下の4点になります。

1.加入者の就業状況(自営業/会社員/公務員/主婦など)に応じて定められた範囲内で、積み立てる金額を選択する。

2.積み立てられた金額の投資先・金額配分を選択する。

3.加入時、加入中、年金受取時にそれぞれ金融機関ごとに定められた手数料がかかります。

4.税制上の優遇措置(所得税・住民税の減免、運用益の非課税)が受けられます。

公務員にとっての個人型確定拠出年金(iDeCo)のメリットとは?

2015年10月、共済年金と厚生年金が一元化され、公務員の方の年金額が引き下げられることになりました。

引き下げられた分の老後への備えを挽回・充実させるため、個人型確定拠出年金(iDeCo)への加入を検討されているも多いのではないでしょうか。

では、具体的に公務員の方にとってのメリットはというと、おおむね以下の3点になります。

1.所得税・住民税が安くなる

なんと言っても、一番大きなメリットは所得税・住民税が安くなる、という点です。

個人型確定拠出年金(iDeCo)の掛金については、所得税・住民税の計算においてその金額が所得から控除されるため、その分所得税・住民税が安くなります。

具体的にどれぐらい安くなるかは所得金額に応じた税率によって異なります。

例えば所得金額が500万円の人であれば、所得税率20%、住民税率10%なので、あわせて最大で掛金の30%分税金が安くなるということになります。

公務員の場合、掛金は最大で年間14.4万円(月1.2万円)となっていますので、14.4万円×30%=43,200円分税金が安くなります。

2.運用益が非課税

個人型確定拠出年金(iDeCo)においては、上述の通り、自らが積み立てている掛金を運用します。

通常金融商品の運用益には20.315%の税金がかかりますが、個人型確定拠出年金(iDeCo)の運用によって得られた利益については非課税となります。

例えば、通常100万円の株を買って120万円で売った場合、その差額である20万円に対して20.315%の税金がかかるため、20万円×20.315%=40,630円が税金として差し引かれて1,159,370円が手元に残り、これを元手に再度運用をする、ということになります。

一方、個人型確定拠出年金(iDeCo)においては、100万円の株が120万円で売れた場合、この120万円そのままを次の運用にまわすことができます。

この運用益の非課税制度といえば、NISA(小額投資非課税制度)を思い浮かべる方もいらっしゃると思いますが、NISAは年間の上限額(120万円)、非課税期間(5年間)が設けられていたり、1.で述べた所得税・住民税の減免がないため、可能な限り個人型確定拠出年金(iDeCo)を優先すべきでしょう。

3.受け取り時においても非課税枠がある

せっかく個人型確定拠出年金(iDeCo)で積立・運用を行って殖やしたとしても、受け取るときに税金がかかってしまうのであれば元も子もありません。

そのため、受け取り時についても税制上の優遇措置があります。

個人型確定拠出年金(iDeCo)で積立・運用を行った金額を退職時(60歳)に一時金で受け取る場合、退職金と同じ扱いとなります。

退職金については退職所得控除と呼ばれる非課税枠があり、ある一定金額を超えない限り税金がかからないようになっています。

具体的には、勤続年数に応じて、20年未満の場合は「40万円×年数」、20年以上の場合は「800万円+70万円×(年数-20年)」までの金額が非課税となります。

例えば、22歳から60歳まで働いた場合、800万円+70万円×(38年-20年)=2,060万円までの金額が非課税となります。

その金額を超過した場合であっても、その超過分の半分に対して、他の所得とは分離して所得税額が計算されるというように、退職金については税制上優遇されています。

また、一時金でなく年金で受け取る場合には、公的年金等控除と呼ばれる制度があり、65歳未満の場合は年間70万円、65歳以上の場合は年間120万円までの金額が非課税となります。

このように個人型確定拠出年金(iDeCo)については、その加入時(所得税・住民税の減免)、加入後(運用益の非課税)、受取時(退職所得控除、公的年金等控除)のそれぞれの段階において、税制上の優遇措置があります。

主婦にとっての個人型確定拠出年金(iDeCo)のメリットとは?


次に、主婦にとってのメリットについてですが、公務員の場合とは少々事情が異なります。

一番のメリットであった所得税・住民税について、そもそも所得のない主婦にとっては関係ありません。

そんな主婦の方にとってのメリットは、大きく分けて以下の3点になります。

1.加入後、受取時の税制上の優遇

加入時の所得税・住民税のメリットは享受することができませんが、残りの運用益の非課税、退職所得控除・公的年金等控除については受けることができます。

主婦の退職金って?と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、個人型確定拠出年金(iDeCo)の加入期間を勤務年数とみなして上記の通りの計算で退職所得控除を計算します。

2.自分自身の老後の貯蓄となる

主婦の方にとって自分自身の老後の年金は国民年金(老齢基礎年金)しかなく、現在は満額でも年間779,300円となっています。

縁起でもない話ですが、年間約22万組(平成27年度人口動態調査より)、3組に1組が離婚すると言われる現在、万が一のことを考えて『自分自身の』老後への備えとして個人型確定拠出年金(iDeCo)を活用するというのも方法の一つです。

3.経済・金融の知識が身につく

結婚や出産を機に仕事を辞められたような場合、家事や育児に忙殺され、元同僚や友人から仕事の話を聞くとなんだか世間から置いていかれているような感じを受けられる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

とはいえ、世間のことを知りたいと思ってわざわざ新聞や雑誌を購入し、自発的に経済や金融の勉強をするかと言えば、なかなかできないのが現実ではないでしょうか。

個人型確定拠出年金(iDeCo)に加入し、半ば強制的に勉強せざるを得ない環境に身を置くことで、関心を持って取り組むことができるのではないでしょうか。

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個人型確定拠出年金(iDeCo)のデメリット

今までメリットを色々述べてきましたが、今度はデメリットについて触れていきたいと思います。

デメリットについては公務員・主婦共通で以下の3点あります。

1.元本割れの恐れがある

個人型確定拠出年金(iDeCo)はあくまで運用のため、選択する金融商品によっては元本を割ってしまう恐れがあります。

中には元本保証の商品もありますが、当然利率が低いため、所得税・住民税の減免メリットのない主婦の方にとっては多少リスクをとっても積極的に殖やしにいく必要があり、その分元本割れの恐れがあることに注意が必要です。

2.手数料がかかる

個人型確定拠出年金(iDeCo)には、加入時・運用中・受取時にそれぞれ手数料がかかります。

金融機関によっても異なりますが、加入時に3000-4000円程度、運用中には毎月400-500円程度の手数料が必要となります。

また、運用商品として投資信託等を選択した場合、信託報酬というものがかかります。

そして、受取時には、振込みの都度手数料が432円かかります。

この金額を上回る節税効果があるかどうかや運用益を得ることができるかどうか、慎重に検討する必要があります。

3.60歳まで解約(引き出し)ができない

個人型確定拠出年金(iDeCo)は原則として60歳以降に受け取ることができ、それ以前には解約(引き出し)をすることができません。

個人型確定拠出年金(iDeCo)は完全に老後の備えとして、マイホームの購入や車の買い替えなど、急な出費の必要が生じた場合の蓄えを別途準備しておく必要があります。

最も大切なのは目的を考えること

個人型確定拠出年金(iDeCo)とは、あくまで投資・資産形成の方法の1つに過ぎません。

『話題になっているから』『なんとなくやっておかないと損』という動機からではなく、なぜお金を殖やしたい(節税したい)のか、その目的をきちんと考える必要があります。

その上で、個人型確定拠出年金(iDeCo)だけでなく他の手段も含め、その目的に最も適したものを選択すべきです。

個人型確定拠出年金(iDeCo)は加入してしまえばそのお金は60歳まで自由にすることができません。

資産形成にまわせるお金も基本的には限られていることと思いますので、優先順位をつけて慎重に投資方法を選ぶようにするとよいでしょう。

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塚口 秀一

塚口 秀一

地方出身、都内勤務のギリアラサー。FP2級、行政書士、簿記2級持ち。とにかく教えたがり屋で教師を志すもモンスターペアレンツを恐れ断念。お金に関することを中心に色々なことを記事にしていきたいと思います。よろしくお願いします

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