骨粗しょう症とは60歳以上から診断されるケースが多いですが、ある日突破的に発症するものではありません。
長年の生活の中でじわじわと症状が進行していくのです。
逆に言えば骨粗しょう症の予防法を取り入れて、原因を取り除くことができれば、発症することはありません。
女性は男性よりも3倍かかりやすいので、早い段階から注意したいですね。
今回は骨粗しょう症の症状と、原因、今からできる予防法を紹介します。
もくじ
骨粗しょう症の症状は?
骨粗しょう症とは骨の密度が下がってスカスカになる症状です。
進行しても自覚症状が少ないので、骨折して初めて気づくというケースも多くなります。
ただ、骨折も場所によってはほとんど痛みを感じないため、骨折したことすら気づかないことも。
まずは骨粗しょう症で骨折しやすい箇所を見ていきましょう。
骨粗しょう症になると、まず骨折しやすいのは背骨です。
背骨は、首からお尻までに渡る、体を支える重要な部位になります。
目覚めてから寝るまで1日中、力がかかる部分なので、骨粗しょう症でスカスカになっていると、圧力に耐えられず潰れてしまうのです。
・身長が2cm以上縮んだ
・背筋を伸ばせない
・重いものを持つと背中が痛む
背骨を骨折していると、このような症状が出てきます。
また日頃の圧力には耐えられても、尻餅をつくなどの突破的な衝撃で骨折することもあるので、尻餅をついてから体の様子が変わったら注意が必要です。
背骨以外は、転んだり、咳やくしゃみなどの衝撃で簡単に骨折することもあります。
特に腰回りの骨は歩くうえで重要な働きをする部位で、ここを損傷すると、入院や長期間、安静にしなければなりません。
この間に体力や筋肉が落ちて、寝たきりになりやすくなるのです。
骨粗しょう症の原因は?
骨は1度できたらそのままというわけではなく、古くなった骨細胞は、新たに作り替えられます。
この働きを骨代謝といい、1年で体のおよそ30%の骨が新しくなると言われています。
骨代謝ではまず、古くなった骨細胞が破壊されてカルシウムに分解された後、血液が吸収し、骨が破壊された部分は新たにカルシウムが付着して、骨が形成されます。
破壊するスピードと、修復するスピードのバランスが適性であれば、骨密度は一定に保たれるので、骨粗しょう症となることはありません。
しかし、加齢や栄養不足などによって、破壊されるスピードに修復するスピードが追いつかなくなることがあるのです。
加齢とともに女性には閉経があり、女性ホルモンが減少してきます。
エストロゲンは、女性らしさを作るホルモンですが、他にも骨を破壊するスピードを緩やかにする働きがあります。
つまり、閉経でエストロゲンが減少することによって、骨を破壊するスピードが上昇して、修復が追いつかなくなるため、男性に比べて女性は骨粗しょう症にかかりやすくなります。
他にも、カルシウム不足も骨粗しょう症の原因になります。
骨はカルシウムから作られるので、イメージしやすいですね。
血液にもある程度のカルシウムが含まれていないと、骨を分解して血液のカルシウム濃度を保とうとします。
カルシウム不足は骨を作らないだけでなく、骨を破壊するスピードも早めるのです。
骨粗しょう症の予防法は?
骨粗しょう症を予防するには、食生活を見直すこと。
現代の食事は欧米スタイルが主流で、魚を食べる機会が減っています。
魚などカルシウムを意識した食事を心がけましょう。
合わせてビタミンKやDを摂るようにすると、カルシウムの吸収が促進されます。
ビタミンDはいわしなどの魚に、ビタミンKは納豆やほうれん草などの青い野菜に多く含まれています。
魚や納豆は和食でもおなじみの食品ですので、和食中心の食生活にすると、自然にカルシウムを補いやすくなりますよ。
また、運動も骨粗しょう症を予防するには効果的な方法です。
運動すると、衝撃が骨に伝わり骨粗しょう症を悪化させるのでは、と思うかもしれませんが、それは発症してからのケースです。
予防するうえでは、運動による刺激は、逆に骨密度を高める効果があると言われています。
スポーツ選手のような激しい運動は必要なく、軽いウォーキングで十分効果が出てきます。
1日30分ほどを目安に背筋を伸ばすことを意識してウォーキングするのがオススメです。
より効果的に、というのであれば、できれば太陽が出ている時間にウォーキングしてください。
太陽の光を浴びると、体内でビタミンDが作られます。
先ほども触れたようにビタミンDは、カルシウムの吸収を効率的にする働きがあり、必要なカルシウムを確保しやすくなるので、骨粗しょう症の予防に効果的です。
骨粗しょう症は1度発症すると、正常な骨密度に戻すのは難しいと言われています。
そのため、若い頃からの予防がとても重要です。
ウォーキングや食生活の改善は骨粗しょう症を予防するだけでなく、他の生活習慣病を予防する効果も期待できるので、ムリをしない範囲で心がけていきたいですね。