「トランス脂肪酸」と聞いてピンと来る方は少ないのではないでしょうか。
トランス脂肪酸とは、マーガリンやスナック菓子、インスタント食品などに含まれている脂肪酸の一つで、ファストフード店や食べ放題の揚げ物などにも使われている可能性のあるものです。
今回は、このトランス脂肪酸が危険と言われている理由や、マーガリンはなぜダメなのかということをご紹介します!
もくじ
トランス脂肪酸が危険な理由は?
トランス脂肪酸は、悪玉コレステロールを増やすといわれています。
悪玉コレステロールが体内で増えると、
- 動脈硬化
- 肥満
- 心臓疾患
- 脳血管障害
- アトピー性皮膚炎
- アレルギー性鼻炎
などさまざまな病気を引き起こす原因となり、私たちの健康を脅かされることになります。
また、妊娠中にも胎児への影響があり、母体がトランス脂肪酸を摂取することで胎児の体重減少や流産や死産のリスクや、授乳時にも母乳にトランス脂肪酸が移行して赤ちゃんへの影響もあるといわれています。
トランス脂肪酸を大量に摂取し続けるとどうなる?
トランス脂肪酸の含まれた食品を大量に摂取し続けると、
- 体内で老化やガンの原因になる活性酸素が大量に生産される
- 私たちの体に必要な脂肪酸の働きを妨げる
など、さまざまな悪い働きをします。
なかでも、トランス脂肪酸の働きでもっとも恐ろしいことが、私たちの身体の細胞膜の働きを阻止するということです。
細胞膜は、脂質で構成されていて
- 細胞の中と外を仕切る役割
- 必要な物質が、必要なタイミングで必要な分量だけ入れる
という働きがあります。
しかし、トランス脂肪酸が体内に入ることで細胞膜の機能が働かず、その結果
- 元気が出ない
- 体調不良になりやすい
- 病気になりやすい
- 病気がなかなか完治せずに長びいてしまったり悪化する
など、生命に関わる問題に発展してしまいます。
マーガリンがダメな理由とは?
私たちの食卓に並ぶパンのお供のマーガリンには、トランス脂肪酸が多量に含まれています。
マーガリンの原料である植物性の油は、不飽和脂肪酸なので害はないと思われがちです。
しかし、植物由来の油脂を原料にはしているものの、水素付加技術で飽和脂肪酸に変換し、液体のものを無理に固体化する過程でトランス脂肪酸が発生しています。
このようなことからマーガリンは外国で、
- 食べるプラスチック
- 狂った脂肪
などと言われてます。
トランス脂肪酸の含まれている食品はなくならないの?
トランス脂肪酸はファストフードや、安い価格で食べ放題のお店での揚げ物などに多量に使われています。
欧米ではトランス脂肪酸を含む食品の販売を禁止したり、制限したり摂取を控えるように呼びかけている国もあります。
しかし、日本では現段階では、トランス脂肪酸の規制は特に行われていません。
アメリカと日本では、同じファストフード店でも提供している食べ物の量や大きさが違ったり、食べ放題やファストフード店を利用する機会もアメリカよりも少ないことが理由として考えられます。
また、トランス脂肪酸が体に悪影響を及ぼすことから、WHOは2003年頃、1人の1日あたりのトランス脂肪酸を含む食品の摂取量を1%未満に抑えるよう勧告しました。
しかし、アメリカと食文化の違う日本では、2006年の調査で、日本人のトランス脂肪酸の摂取量が一日平均0.7グラムといった結果で、WHOの出したガイドラインを下回っていました。
結果、日本では特に規定もされずに、トランス脂肪酸が含まれた食品とも言い難いものが販売され知らない間に体に取り込んでいる可能性があります。
トランス脂肪酸は確実に私たちの人体に悪影響を及ぼしています。
将来的にはトランス脂肪酸を使った科学食品が日本からも無くなることを願いたいですね。
最後に
マーガリンは高価なバターの代わりとして作られ、私たちの身近な存在でしたが、詳しく調べてみるととても恐ろしい食品でした。
マーガリンは、ケーキやパン、クッキーなどのお菓子の材料にも使われています。
また、喫茶店などのコーヒーの上にのっているクリームやミルクポーションも、水素付加技術の過程でトランス脂肪酸が含まれている食品です。
しかし、全てがトランス脂肪酸が含まれているものではないので、気になる方はその食品メーカーのホームページを確認したり問い合わせをするなどして確認をしてみましょう。
私たち日本人の摂取量は少ないと言われていますが、確実に体に蓄積されていくので妊娠中の方や小さい子供、身体の弱い方やお年寄りには避けてもらいたいものです。