近年、男性の更年期障害が取りざたされています。
更年期障害と言えば、閉経前後の女性のものと思われていましたが、男性ホルモンの低下によっても、女性と同じく「不定愁訴」や「ED」などの深刻な体調不良が起こるのです。
そこで今回は、男性の更年期障害について、病院は何科に行けばよいのか、食事や漢方で回復できるのか、など詳しく見てみましょう。
もくじ
男性の更年期障害の症状とは?
男性の更年期障害は、女性のように、「閉経」と言うキッカケがない分、気持ちの準備や、予防が出来ていない状態で起こることが多いのです。
男性が更年期障害を起こすのは、男性ホルモンの「テストステロン」の低下が原因です。
テストステロンは、20代をピークに40歳から急激に減少していきます。
40歳と言うと、社会的にもストレスを抱えやすい時期と重なります。
症状の出方は女性同様にさまざまな不定愁訴を含みますが、始まりはストレスによる「睡眠障害」を起こしていると考えられます。
「不眠」と言われる睡眠障害
・なかなか寝付けない「入眠障害」
・途中で目が覚めてしまう「中途覚醒」
・まだ眠いのに目が覚めてしまう「早朝覚醒」
男性ホルモンの「テストステロン」は、睡眠中に生産されるため、睡眠障害が起きることは、減少につながるのです。
その他にも、「めまい」「便秘」「頭痛」「胃腸不良」「頻尿」などの身体症状や、「イライラ」「不安」「集中力低下気力がわかない」などの精神的な症状も起こります。
また、男性特有の症状に「ED」があり、年齢が若ければ若いほど、そのショックから病状が悪化し、悪循環を引き起こしやすくなります。
男性の更年期障害は病院の何科に行けば良い?
女性は、何かあればすぐに婦人科で治療してもらえる安心感がありますが、男性は何科へ行けば良いのでしょうか。
一番良いのは、「心療内科」で進行状態を診断してもらう事です。
都心部では、メンズクリニックがずいぶん増えましたが、全国的に見ると、その数はわずかです。
また、「ED」や「頻尿」の症状が主だっている場合は、「泌尿科」が妥当です。
更年期障害の症状を緩和するために、「テストステロン」を筋肉注射で注入し、その他の症状については、対処療法になります。
そのため、泌尿器系に異常がある場合は、専門の診察が安心です。
男性の更年期障害は食事や漢方で克服できる?
男性の更年期障害は、漢方治療も多く行われます。
漢方は、即効性はありませんが、悪い部分だけを治す治療ではなく、「整った体を作る」ことが目的なので、徐々に体調が良くなり、精神的な症状も緩和されて行きます。
この場合、良く処方される漢方に、「八味地黄丸」がありますが、腎機能や泌尿器治療とともに、冷えの緩和、疲労感の回復などの効能が含まれています。
体調を崩すことと「冷え」は大きく関係していて、体温が1度下がると免疫力は30%も低下するのです。
そのため、男性の更年期障害を起こしている時は、投薬治療だけではなく、毎日の食事に気を付けることでも、回復に近づくことができます。
体を冷やす原因となる、脂っこい食べ物、冷たい飲食物、アルコールは控えましょう。
また、体を温めるために、辛いものを大量に食べるのは、勘違いです。
刺激物は、一瞬汗が出るほど温かくなりますが、発汗は体を冷やすために行われる起こります。
何でも良く噛んでバランス良く食べ、代謝を上げることが、体温の上昇につながります。