「強さ引き出す」のフレーズでお馴染みのR1ヨーグルト。
コンビニやスーパーでも販売されているごく普通のヨーグルトですが、販売当初には消費者に見向きもされていなかったのをご存知ですか?
いつ製造停止になってもおかしくなかったヨーグルトが、現在のように品薄になるほど人気商品となったのは、あるバラエティ番組が
「R1ヨーグルトには、インフルエンザ対策に期待できる」と取り上げたことがきっかけ。
今回は、ヨーグルトの人気商品であるR1ヨーグルトとインフルエンザの関係を紹介しています。
もくじ
インフルエンザはR1ヨーグルトで予防できる?
おそらく、現在販売されているヨーグルトの中で最もメディアで紹介されているR1ヨーグルト。
テレビで初めてインフルエンザ対策に紹介された翌日は、消費者が次々とR1ヨーグルトを買い求め、品薄状態になりました。
あまりの人気ぶりに1人1個と言ったように、購入できる数に制限を設ける店舗もあったほどです。
ヨーグルトにはさまざまな乳酸菌が原料となっていますが、乳酸菌は種類によって働きや特徴が異なります。
R1ヨーグルトの原料になっている乳酸菌は、 ラクトバチルスブルガリクスOLL1073R-1というもの。
ラクトバチルスブルガリクスOLL1073R-1は1073R-1とも呼ばれ、EPSという多糖体を生み出します。
ちなみに、多糖体とは糖がいくつも繋がった形のもののことで、デンプンや水飴などもこの多糖体として分類されます。
このEPSはキノコや野菜、海藻にも含まれる栄養素で、免疫を司るナチュラルキラー細胞をを活性化させる働きがあるのです。
ナチュラルキラー細胞が活性化されれば、免疫が高まるので、インフルエンザや風邪予防の効果が期待できます。
このため、EPSを生成する1073R-1が含まれるR1ヨーグルトは、インフルエンザ対策に効果が期待できるヨーグルトということになるのです。
免疫を上げると言っても所詮ヨーグルトである
とは言え、R1ヨーグルトの人気の過熱ぶりに、反対の意見も出始めています。
有田共立病院、院長の井上文夫氏は「あくまでも、R1ヨーグルトの可能性が示されただけで、ヨーグルトであることを忘れてはいけない」とコメントしました。
井上文夫氏は、R1ヨーグルトブームのきっかけになった番組で、R1ヨーグルトがインフルエンザに対し有効かどうかを調査した人物。
ごく一部のメディアでは、あたかも薬や予防接種のようにR1ヨーグルトを食べると、インフルエンザが予防できると誇張表現をしているものもありました。
しかし、予防接種だってそもそも対象となる病気の悪化を防ぐもので100%予防できるものではありません。
予防接種だってそうなのですから、いくら1073R-1が含まれたヨーグルトだって、その効果は限定的という可能性が高いのではないでしょうか。
1073R-1が生成するEPSは、先ほども触れた通り、キノコや海藻などさまざまな食品に含まれている栄養素。
私たちの体の健康のためには、さまざまな栄養素が必要です。
1073R-1が生成するEPSが目的であれば、R1ヨーグルトだけを食べるよりも、いろいろな食品からEPSを摂取した方が栄養状態も良くなり、結果的に健康にいい影響を与えるでしょう。
疲労やストレスが蓄積されるなど、体のコンディションが悪ければ免疫が低下しますから、風邪やインフルエンザにかかりやすくなります。
そんなときはR1ヨーグルトを食べたからと言って、ゲームのスターのように風邪やインフルエンザに対し無敵状態になる訳ではないのです。
もちろん、健康のために体に良い物を食べることは悪いことではありませんし、ヨーグルトそのものも体に良い食べ物であることは間違いありません。
しかしR1ヨーグルトを食べたからもうインフルエンザにはかからない、と言ったような極端な考えに陥るのは禁物なのです。